運動能力の下地は幼少時にできる
神経系は6歳までに80%くらいまで発育します。
つまり、この時期に多種多様な動きを楽しく経験し吸収することで、後々の大きな運動能力の下地をつくっていくことができます。
多種多様な動きとは、具体的には下記のような動作です。
36の基本動作を経験することが大切!!
人の動きは36パターンの基本動作から構成されています。それを幼少期に身につけることが大切です。
動作は大きく3パターンに分かれます。
①からだのバランスをとる動き(平衡系運動)
「まわる」「おきる」「たつ」「くむ」「わたる」「さかだち」「ぶらさがる」「のる」「うく」
②からだを移動する動き(移動系動作)
「はう」「あるく」「のぼる」「垂直にとぶ」「水平にとぶ」「はしる」
③道具を操作する動き・力だめしの動き(操作系動作)
「つかむ」「もつ」「なげる」「ける」「あてる」「とる」「ほる」「ふる」「はこぶ」「わたす」「ささえる」「つむ」「たおす」「おす」「おさえる」「ひく」「うつ」「こぐ」
この36の動作は、山梨学院教授・中村和彦氏が提唱した概念で、幼児教育者の間で広く共有されています。
基本動作の動きを組み合わせ、身体を動かす
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運動のひきだし(脳からの回路)がたくさんできる
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運動が得意になる
『はじめてのたいそう』では、この36の基本動作の活動を軸とし、多種多様な動きを子ども達に経験してもらいます。
楽しみながら自然に”運動のひきだし”(脳からの回路)を増やすことで、身体を動かすことの好きな子どもへと成長していきます。
【参考】スキャモンの発達・発育曲線
「スキャモンの発達・発育曲線」というものがあります。これは、人間の器官を「神経系型」「リンパ系型」「一般型」「生殖器型」の4つに分類して、その成長のしかたをグラフ化したものです。
運動は神経系型に該当します。脳、脊髄、感覚器などの成長を表しています。
神経系の発育は器用さ、リズム感に関わります。
神経系は6歳までに80%くらいまで発育します。この時期までに多種多様な動きを経験させ吸収させることで、後々の大きな運動能力の下地をつくっていくことができます。
運動神経は遺伝によって決まる部分もありますが、運動への苦手意識は遺伝より環境が大きいといえます。
身体を動かすという経験で脳からの回路がたくさんできあがります。この回路のバリエーションが多いほど『運動が得意な子』といわれます。